税制改正大綱が発表されました。
改正の方向性
相続税は格差是正の観点から、非常に重要な税です。
バブル期の地価急騰に伴い、相続税の対象者が急激に広がったことなどから、基礎控除の引上げや小規模宅地等の課税の特例の拡充により、対象者を抑制する等の改正が行われました。
バブル崩壊後、地価が下落したにもかかわらず、基礎控除の引下げ等は行われてきませんでした。
そのため、相続税は100人に4人しか負担しない構造となり、最高税率の引下げを含む税率構造の緩和も行われてきた結果、再分配機能が果たせているとは言えません。
また、金融資産の増加などの環境の変化が見られます。
今後、格差是正の観点から、相続税の課税ベース、税率構造の見直しについて平成23年度改正を目指します。
その見直しに当たっては、我が国社会の安定や活力に不可欠な中堅資産家層の育成や事業の円滑な承継等に配慮しつつ、本人の努力とは関係のない大きな格差が固定化しない社会の構築や課税の公平性に配慮すべきです。
さらに、相続税の課税方式の見直しに併せて、現役世代への生前贈与による財産の有効活用などの視点を含めて、贈与税のあり方も見直していく必要があります。
また、法人等を利用した租税回避への対応など、課税の適正化の観点からの見直しを引き続き行っていきます。
改正内容
(1) 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税
イ 非課税限度額(現行500万円)を次のように引き上げます。
(イ)平成22年中に住宅取得等資金の贈与を受けた者1,500万円
(ロ)平成23年中に住宅取得等資金の贈与を受けた者1,000万円
ロ 適用対象となる者を贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下の者に限定します。
ハ 適用期限を平成23年12月31日(現行平成22年12月31日)までとします。
(注)上記の改正は、平成22年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税について適用します。ただし、平成22年中に住宅取得等資金の贈与を受けた者については、上記の改正前の制度と選択して適用できることとします。
(2) 住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例について、特別控除の上乗せ(現行1,000万円)の特例を廃止し、年齢要件の特例の適用期限を2年延長します。
(3) 特定認定長期優良住宅の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置について、その適用期限を2年延長します。
(4) マンション建替事業の施行者等が受ける権利変換手続開始の登記等に対する登録免許税の免税措置について、適用対象から施行再建マンションに関する権利について必要な登記を除外した上、その適用期限を2年延長します。
(5) 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について、相続人等による事業又は居住の継続への配慮という制度趣旨等を踏まえ、次の見直しを行います。
イ 相続人等が相続税の申告期限まで事業又は居住を継続しない宅地等(現行20平米平米まで50%減額)を適用対象から除外します。
ロ 一の宅地等について共同相続があった場合には、取得した者ごとに適用要件を判定します。
ハ 一棟の建物の敷地の用に供されていた宅地等のうちに特定居住用宅地等の要件に該当する部分とそれ以外の部分がある場合には、部分ごとに按分して軽減割合を計算します。
ニ 特定居住用宅地等は、主として居住の用に供されていた一の宅地等に限られることを明確化します。
(注)上記の改正は、平成22年4月1日以後の相続又は遺贈により取得する小規模宅地等に係る相続税について適用します。
